アフリカ世界遺産 - マリ

トンブクトゥ

「トンブクトゥ」はマリ共和国の中央部、ニジェール川沿いに位置する都市です。サハラ砂漠を横断する交易における重要な中継都市であり、世界規模の交易による富が集まる一大商業都市でした。歴史的に重要な景観が評価され、1988年にユネスコの世界遺産に登録されました。

「トンブクトゥ」はもともと砂漠の遊牧民であるトゥアレグ族の泊地にすぎませんでしたが、その後サハラ交易の中継地として大いに繁栄し、この地方を代表する都市になりました。その高名ははるかヨーロッパにまで届き、歴史にありがちな誇張も加わり、「神秘の都」として数々の伝説を交えて語られる幻の都市となりました。

1500年代に入ると、それらの噂に情熱を掻き立てられたヨーロッパの探検家などがアフリカへ冒険に向かうことになります。当時「トンブクトゥ」はヨーロッパ人にとって行き着くことが非常に困難な場所であり、英名である“ティンブクトゥ”が「遠くの土地」の比喩として通用したほどだと言います。1512年に、当時「トンブクトゥ」を保護していたソンガイ帝国を訪れた旅行家アフリカヌスは、「トンブクトゥの王は、数多くの金の杯や笏を所有し、その量は1,300ポンドにも及ぶ」という記述を残しています。

しかし、西欧諸国が西アフリカへの海路を開拓することに成功すると、陸路の中継都市として栄えていた「トンブクトゥ」は徐々に衰退しはじめました。それに加え16世紀末に、サード朝モロッコの傭兵としてやってきたムーア人たちに占領され、「トンブクトゥ」の繁栄には完全に終止符が打たれることになりました。19世紀になってようやく、ヨーロッパ人の探検家ルネ・カイユが初めてこの地に到達し生還しますが、すでに衰退した都を前に「みすぼらしい泥の都」と失望を露わにしています。

さて、現在の「トンブクトゥ」はどうかというと、おそらくルネ・カイユが目にしたであろう光景とさして変わらぬ町並みが広がっています。とはいえ、けっして魅力がないわけではありません。日干し煉瓦や泥で造られた飾り気のない建物群は砂にとけ込むように素朴であり、町並み全体が砂色一色で構成されている様は不思議な美しさがあります。

かつてヨーロッパ人たちを眩惑した栄華を歴史のうちに秘め、今はひっそりと佇む古都「トンブクトゥ」。ここには、四角錐の塔に無数の丸太が突き刺さった奇妙な外観のモスクもあれば、“青の種族”と呼ばれる鮮やかな青色のターバンと衣装に身を包んだ地元民が砂色の町を歩いていたりと、たいへん異国情緒に溢れた世界が広がっています。マリ共和国を訪れた際には、ぜひ行ってみたい世界遺産の一つと言えるでしょう。

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