中東諸国世界遺産 - ヨルダン

ウム・アル=ラサス

「ウム・アル=ラサス」はヨルダン西部、ラサス地域に位置している古代都市の遺跡です。未だ発掘の途上であり、遺跡の大部分は土の中に眠ったままだと言います。2004年にユネスコに登録された新しい世界遺産で、ヨルダンで三つ目の世界遺産になります。

「ウム・アル=ラサス」がある地は、3世紀末から9世紀にわたるローマ帝国の支配下の時代に都市が造営された場所であると考えられています。もともとはローマ軍がこの地に軍事基地を造ったことにはじまり、それからキリスト教会などが作られるようになり、都市として発展していったようです。

現在われわれが「ウム・アル=ラサス」を訪れてみることができるのは、いくつかのローマ帝国キリスト教会の遺跡だけです。冒頭に書いたように未だ発掘作業が進んでいない遺跡なのです。しかし、だからといって観光するほどのものがないかというとそんなことはありません。

「ウム・アル=ラサス」に残された教会遺跡の中で、もっとも代表的なものが“聖スティーヴン教会”です。この教会には正方形のかたちをした塔なども残されていますが、なんといっても床に描かれたモザイク画が最大のみどころであると言えるでしょう。

モザイク床が残されている場所には木造のプレハブ小屋が建てられており、風雨から厳重に守っています。古代都市の瓦礫があちこちに転がる荒野の中、ぽつんと建った真新しい小屋には、正直どこか場違いな印象を受けてしまいます。しかし、このことからも「ウム・アル=ラサス」において、このモザイク画がいかに重要なものであるかが窺えます。

さて、肝腎のモザイク画自体は極めて精巧にできており、思わず見とれてしまうほどの出来栄えです。幾何学的に配置された絵柄のなかに、様々なモチーフが細かい筆致で描かれています。もっとも大きなモザイク画には、魚などの生き物、ナイル川を渡る船舶、城、都市名が書き込まれた門などが確認できます。これだけ芸術性の高いモザイク床のある教会です。かつての“聖スティーヴン教会”はどれほど美しい建造物だったのでしょうか。

残念ながら、「ウム・アル=ラサス」にある遺跡のほとんどは瓦礫と化していたり、土に埋まっていたりします。とはいえ、あちらこちらに半壊状態の遺構が残っていたりもして、歩き回っていると様々な発見があります。遺跡に詳しいガイドがいると、それらがいったい何の跡なのかがわかって面白みが格段に増すと思います。

「ウム・アル=ラサス」へは、ヨルダンの首都アンマンから車で一時間ほどで着きますので、ヨルダンを観光しにきた折りにでも、気軽に立ち寄ってみることができる世界遺産です。

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