西・中央アジア世界遺産 - イラク

サーマッラーの考古学都市

「サーマッラーの考古学都市」はイラク中央部、サラーフッディーン県にある世界遺産です。イラクの首都バグダッドのすぐ北部にあります。2007年にユネスコの世界遺産に指定されました。

「サーマッラーの考古学都市」は、アッバース朝時代の都の遺構です。アッバース朝は750年~1258年まで存続したイスラム帝国第2の世襲王朝で、バグダッドからサーマッラーに約50年間遷都した時期があります。首都であった期間は短いですが、中東を支配した強大なイスラム帝国の都だっただけあって、イスラム文化の金字塔とも言える素晴らしい建造物が残っています。

「サーマッラーの考古学都市」でもっとも有名であり、シンボルとも言える建築物が“マルウィヤ・ミナレット”です。ミナレットとは、モスクに付随して建てられる礼拝の時間を知らせるための塔です。“マルウィヤ・ミナレット”は世界最大とも言われるモスク横に建てられたもので、アッバース朝第8代カリフ・ムウタスィムの治世下、852年に建造されました。
“マルウィヤ・ミナレット”は煉瓦で作られた高さ53メートルの大きな塔で、天に向かって螺旋を描く非常に特徴的な形をしています。ソフトクリームのような形といえばわかりやすいでしょうか。頂上に行くには、塔の外周に設けられた階段をぐるぐると螺旋を描きながら登っていくことになります。このような螺旋型のミナレットは世界に3つしか存在せず、その大きさと美しさから「サーマッラーの考古学都市」にあるものがもっとも有名です。“マルウィヤ・ミナレット”がときにイラクの至宝とまで言われるゆえんです。

極めて珍しい外観の塔なのですが、博学な人であればどこかで見た覚えがあるような気がするかもしれません。というのも、“マルウィヤ・ミナレット”は西洋世界において“バベルの塔”のモデルとなった建物であるからです。バベルの塔を描いたもので世界でもっとも有名な絵画・ブリューゲルの『バベルの塔』においても、「サーマッラーの考古学都市」にあるこのミナレットと同じ螺旋状の塔として描かれています。螺旋を描きながら天へと伸びるミナレットは、伝説上の塔のモデルになってしまうほど西洋人にとって印象的なものだったのでしょう。

“マルウィヤ・ミナレット”はイラク戦争の際に米軍の砲撃によって尖塔部が一部破損しましたが、1000年以上も昔に建てられたものとしては綺麗な形で残っています。世にも奇妙な形の塔は「サーマッラーの考古学都市」のシンボルとしてこの地に腰を据え、幾何学的な美しさを備えて見る者を魅了します。首都バグダッドからすぐのところにあるので、イラクを訪問した際にはバベルの塔のモデルになった世界遺産に足を伸ばしてみるのもいいでしょう。

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