モロッコ世界遺産

ヴォルビリスの古代遺跡

モロッコ王国中北部・メクネス州の北部にある平原地帯に、紀元前に造られた古代都市の遺跡が今もなお、ほとんど原形を残した状態で現存しています。それが1997年に世界遺産に登録された『ヴォルビリスの古代遺跡』です。

『ヴォルビリスの古代遺跡』は、40haというモロッコ最大の大規模遺跡で、全長約2.3kmの城壁に囲まれています。8つの門と40の塔がこの城壁に造られています。紀元前40年頃に、ローマ帝国の属州としてこの地に都市が築かれたのです。

当時も今も、周辺は豊かな農村地帯で、小麦やオリーブ、ブドウなどの果実が豊富に採れたことで富と繁栄をヴォルビリスにもたらしました。特に紀元前の人々が考えたとは思えないほど、オリーブオイルの油絞り器は、高度な知恵を持っていたことを知る事が出来ます。石臼のような形状をしており、窪みに実を入れ、取手のついた重石で絞っていました。絞って出てきたオリーブオイルは、溝から流れ出ていき、隣のオイルを溜める所へ集められていました。

これらの恵みにより潤っていた『ヴォルビリスの古代遺跡』。街並みからもその豊かさが伝わってきます。

遺跡の建造物で有名なのが≪オレフェウスの家と中庭≫で、当時の貴族たちの邸宅の代表的なものです。メインストリートであったとされる≪デクマヌス・マキシム通り≫の両側には、貴族たちの邸宅がいくつも残されています。貴族の住む家には、必ずと言って良いほど華やかなモザイクが施されており、タイルも敷き詰められています。イルカや像、鹿などのモザイクはとても繊細で多くの人々が訪れています。

メインストリートの入り口には≪カラカラ帝の凱旋門≫がそびえ立っています。これはカラカラ帝への感謝を伝える為に建造されており、正面右手にはカラカラ帝の肖像が彫ってあります。

≪ユピテル神殿≫跡も、未だに6本の柱がしっかり立って残されています。柱の上には本当のコウノトリの巣が作られており、モロッコでは幸運を呼ぶ鳥として大切に保護されています。

その他にも、やはりローマ遺跡の定番ともいえる浴場やスチームサウナの跡も残されています。さらに半身浴もしていたようで、座敷の浴場も残されています。本当にお風呂にこだわりを持っているのが2千年程経った現代でも伝わってきます。

ヴォルビリスは3世紀末に、ベルベル人の圧迫などにより次第に衰退していきます。それでも争いなどなかった為、『ヴォルビリスの古代遺跡』は2千年前のものなのに、当時の街並みが素人でも大体把握出来る程の最良の保存状態で発見されたことにより、世界遺産となったのです。

1755年に起こった大地震により、『ヴォルビリスの古代遺跡』は被害を受け、一部壊れてしまいましたが修復され今の状態を保っているのです。

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