ルーマニア世界遺産

トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群

この世界遺産のあるルーマニアのトランシルヴァニア地方というのは、ラテン語で「森の向こう」という意味です。 ルーマニア語では「アルデアル(丘の向こう)」と呼ばれ、首都ブカレストのあるワラキア地方からはカルパチア山脈を超えた向こうにある地域で、歴史的にも異なる経過をたどっています。

トランシルバニア地方はその名の通り西ヨーロッパから見ると辺境の地、もともとはキリスト教とイスラム教の境界にあり、オスマン帝国やタタール人の襲撃に幾度もあった地域でした。

中世にこの地域を支配したハンガリー王は、異教徒の侵略に備える最前線として、カルパチア山脈を超えたすぐ手前のトランシルバニア地方にザクセン人(ルーマニア語でサシ)と呼ばれるドイツ系住民を移民させました。
彼らは経済活動を主とした移民でしたが、異教徒の襲来から身を守るために街を教会を中心とした要塞へと整備していきました。

ドイツ系入植者の作った街ですから、街の作りもドイツ風で教会もルーマニア系住民の信仰する東方正教の教会ではなく、高い塔と聖堂を持つ福音派教会です。
その中で世界遺産に指定されているのは、ビエルタン要塞教会、プレジュメル要塞教会、ヴィスクリ要塞教会、カルニク要塞教会 、サスキズ要塞教会、ヴァレア・ヴィイロル要塞教会です。

またトランシルバニア地方は20世紀初めまでハンガリー王の支配する地域だったため、トランシルバニアのハンガリー系住民(ルーマニア語でセクイ)が築いた街にも、要塞化したものがあります。
その中で世界遺産に指定されているのは、ユニテリアン派のダルジュ要塞教会です。

要塞教会は高い壁に囲まれ、戦略的な目的から見張り塔や武器庫が備わっています。
数か月の籠城に耐えるよう食糧庫や家畜小屋があったり、学校施設が整えられているところもあります。
壁を厚くしアパートのような住居にした要塞教会もあり、当時の建築技術の高さがしのばれます。

こういった要塞教会を中心とした村々が、世界遺産の一つ、「 トランシルヴァニア地方の要塞聖堂のある村落群」なのです。
要塞教会を持つ村は、多い時で300から600ほども存在したと言われています。
世界遺産として6つのザクセン系要塞教会、1つのセーケイ系要塞教会が登録されていますが、今でもザクセン系、セーケイ系を合わせて150くらいの要塞教会が残っています。

小さな村に数少なくなったザクセン系のお年寄りが集まってミサを行っている要塞教会もあれば、朽ち果てて修復されるのを待っている要塞教会もあります。
トランシルバニア地方は、ヨーロッパの中世の自然や暮らしが垣間見られる、大変美しい所です。

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