ブルガリア世界遺産

イヴァノヴォの岩窟教会群

ブルガリア北部、ドナウ川沿いの古い町ルセ市から約20キロのイヴァノヴォ村付近に、岩を刳り貫いて作られた聖堂や修道院などの建造物があります。この洞窟群は、14世紀から17世紀にかけて、ブルガリア正教会の修道士たちは岩を切り出した洞窟に住み、複数の岩窟で修道院を構成しました。

この地は、東方正教会の中でも「ヘカシズム(静寂主義)」の中心でした。切り出された岩肌に描かれる宗教画に、古の修道士たちの精神世界を見ることができます。1979年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

■文化を結ぶ拠点「ルセ」
イヴァノヴォの岩窟教会群は、ブルガリア北部、ドナウ川の右岸のルセ市の近くにあります。対岸はルーマニアのジュルジュで、橋で結ばれています。

この地は、ドナウ川の存在ゆえに、西部のソフィアや、黒海沿岸のネセバルとは違った歴史が形成されました。それは、1世紀に築かれたローマ帝国の要塞セクサギンタ・プリスティス(「60の船の港」という意味)からもよく分かります。この地は、ドナウ川による交易の拠点だったのです。

14世紀のオスマン・トルコの支配下に入ると、帝国の主要都市の一つ「ルスチュク」となり、多くの文化が流入して、街は発展します。ブルガリア初の鉄道駅や新聞はルセから始まりました。
19世紀の独立後は、西欧との交流拠点となります。ルセは、「小さなウィーン」と呼ばれたりしました。

■世界遺産「イヴァノヴォの岩窟教会群」の見どころ
「イヴァノヴォの岩窟教会群」の見どころは、岩肌とそこに描かれた鮮やかな壁画です。300以上あったといわれる建造物のほとんどは現存していませんが、その中で6つの教会に壁画が保存されています。

中でも最も有名なのが、「聖母教会」の壁画です。この世界的に有名な壁画は、バルカン半島における、ビザンチン末期のパレオロゴス美術の最も代表的な作品の一つとされています。「ボヤナ教会(前記事参照)」と同様、ブルガリアの中世美術の傑作として名高い宗教画ですが、前者のビザンチン美術との違いを見比べてみるのも良いでしょう。

■イヴァノヴォの岩窟教会群とルセンスキー・ロム国定公園の地理と観光
ルセ市から20キロほどのところに、ルセンスキー・ロム国定公園があります。園内には、美しい自然の動植物の他、奇岩や洞窟、歴史名所などがあり、ここに「イヴァノヴォの岩窟教会群」もあります。

園内の散策コースはテーマ別になっており、自然を楽しむコースや、歴史名所を巡るコース、公園と世界産の両方を楽しむコースなどがあります。世界遺産の他にも、キリスト教墓地やチェルヴェン要塞など、案内板に沿って、思い思いの観光できまし、ガイド付のツアーもお勧めです。

ルセ市内も観光名所がたくさんあります。歴史が好きな人には地方歴史博物館や都市生活博物館があり、街並みはドナウを通じた交流の産物である、イタリアやオーストリア・ドイツの建築家による美しい建物の数々があります。

また、ルセ市の「ドナウ橋」は、バルカン半島東部でドナウ川を渡れる唯一の橋です。ドナウ・クルーズもさかんですので、ぜひ歴史と自然を体感してみてください。

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