スイス世界遺産

ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックル-時計製造業の都市計画

日本といえば?という質問を外国人にしたら、どんな答えが返ってくるでしょうか。「ゲイシャ、フジヤマ、サムライ…」は、ちょっと古いですかね、今ならトヨタのクルマとかアニメやマンガの主人公あたりが挙がるのかもしれません。同じように日本人にスイスといえば?という質問をしたら、「アルプス」という答えに並んで一番多く出てくるのが、「時計」でしょう。

スイスは高級時計の産地として知られています。中でもスイスで最も時計生産の盛んなふたつの都市、ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックルは、なんと世界遺産にも認定されるほどです。

時計は、時計塔のように大掛かりなものは中世から存在していましたが、持ち歩けるような小型の時計は、1675年にイギリス人によって懐中時計が発明されるまでありませんでした。

その4年後、ロンドンから初めて懐中時計がル・ロックルに持ち込まれますが、壊れていたそれをジャン=リシャールという人が修理します。この人はだいぶ手先が器用だったらしく、修理するだけでなくなんと構造まで分析して、独自に時計が作れるようになってしまったんですね。そこから、ル・ロックルはスイスにおいて最初の時計が作られた町、と呼ばれるようになりました。

ラ・ショー=ド=フォンはル・ロックルより遅れて時計の製造が始まりましたが、こちらのほうがル・ロックルよりも大きな街だったので、たくさんの時計工房が並んでいました。ですが、ラ・ショー=ド=フォンは1794年に大火事が起こり、街のほとんどが焼けてしまう、という事態が起こりました。

ところが、江戸やロンドンなんかもそうですが、いったん火事のせいで街のほとんどが焼けてしまうと、今度はこれをいいことに都市の再整備事業が始まるというから、人間とはしたたかなものです。

ラ・ショー=ド=フォンも火災の跡に火事を防ぐだけでなく、時計作りに都合がいいように時計工房が日当たりの良い明るい場所に来るようにするなどの計画都市として生まれ変わったのです。

産業革命が起こると、ラ・ショー=ド=フォンは製造の機械化をはじめ、一時期には世界中の時計の55%を作っていたということです。また、20世紀初頭の芸術様式の中心地でもあり、建築家ル・コルビジェの生誕地としても知られています。

現在のラ・ショー=ド=フォンには国際時計博物館が、またル・ロックルにはル・ロックル時計博物館があり、この2つの博物館をまわれば、世界中のあらゆる時計について詳しくなれると言っても過言ではないでしょう。スイスの世界遺産、ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックルは、災害に襲われてもめげない人のしたたかさを見せてくれる、ものづくりの都市です。

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