スイス世界遺産

ミュスタイアのベネディクト会聖ヨハネ修道院

教会、大聖堂、礼拝堂、寺院、修道院と、キリスト教の建物には様々な名前がついていますが、実はそれぞれ役割が違います。特に、修道院は他の4つとは大きな違いがあるのです。

それは、修道院だけが修行のための場所であるということです。俗世間を離れてひたすら祈りに没頭する場所ですので、基本的に修道院は人里離れたところにあります。世界遺産登録されているスイスの修道院、ミュスタイアのベネディクト会聖ヨハネ修道院も、そんな修道院の一つです。

スイスの東端にあるグラウビュンデン州、さらにその一番東に位置する人里離れたミュスタイア渓谷に、聖ヨハネ修道院は存在します。オーストリアやイタリアとの国境と近く、古くからフランスやドイツからイタリア半島へ抜ける交通の要衝として知られていました。

聖ヨハネ修道院が作られたのは780年、ヨーロッパに一大帝国を築いたことで有名なカール大帝が軍の駐屯地として修道院の建造を支持したとされています。

この建物はまた、9世紀頃に全盛を迎えたローマ帝国の文化復興運動であるカロリング・ルネサンス様式の代表的な建物として知られており、祭壇の壁には一面にキリスト教から題材をとった鮮やかなフレスコ画が描かれています。当時文字の読めない人が多かった中世のヨーロッパでは、人々に神の奇跡を示す最もわかりやすい手段として絵画が多用されており、現在でもキリスト教の分からない人がひと目でどのような宗教かわかる手がかりとなっています。

このベネディクト会の聖ヨハネ修道院は12世紀に女子修道院へと組織が改められ、なんと現在でも建物の中に14人の修道女が労働と祈りの日々を送っているということです。

さて、冒頭からベネディクト会という単語が出てきて何のことやらとおもわれる方もいるかも知れませんが、ベネディクト会とは修道院の会派の一つで、カトリックでは最も古い修道会になります。

ベネディクト会ではキリスト教の精神を持った修道士や修道女が集って人生のほとんどを修道院の中で過ごし、労働と清貧の生活の中でキリスト教の真理を追求しました。中世のヨーロッパでは大きな勢力を持った組織でもあります。

アルプスのミュスタイア渓谷の中にぽつりと立つ白い塔。この塔が、聖ヨハネ修道院の象徴になります。修道院へと近づくと、中世の街とも城とも違う、独特の建造物が、同じく白い壁と共に明らかになってきます。1000年以上前から祈りを続ける修道女たちとともに、キリスト教の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。ミュスタイアの聖ベネディクト会修道院は、そんな敬虔な心持にさせてくれる世界遺産です。

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