オーストリア世界遺産

ヴァッハウ渓谷の文化的景観

ライン川は、スイス、リヒテンシュタイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダを結ぶヨーロッパの国際河川です。中でもその流れが最も長いドイツでは、「父なる川」と呼んでいます。

観光でもライン・クルーズと言えば、ドイツが有名ですが、オーストリアのヴァッハウ渓谷は、起伏に富んだ自然と、両岸に歴史的建造物が並び、最も美しいドナウ川の景勝地として有名です。2000年には、「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

●リチャード獅子心王ゆかりのデュルンシュタイン
ヴァッハウ渓谷は、ライン川を下っていくと、両岸に古城や修道院などが点在しているのを確認することができます。その中で、有名なエピソードを持つデュルンシュタインを紹介しましょう。

デュルンシュタイン城は、ライン川岸のデュルンシュタインの街を見下ろすように、山の上に建っています。この城が有名なのは、十字軍の英雄、イギリスのリチャード獅子心王が、十字軍遠征の帰路にとらえられ、幽閉された所だからです。この史実には伝説的なエピソードがあります。

王を探す騎士ブロンデルは吟遊詩人に身をやつし、王の知る歌を歌いながら諸国を巡っていました。そしてデュルンシュタインに差し掛かったとき、城から応じるように歌が聞こえてきました。ブロンデルはついに王を見つけたのです。まるで中世の光景が浮かぶようなエピソードです。

史実では、イギリスが身代金を支払い、リチャード王は解放されます。残念ながら、この城は現在では廃墟となっていますが、古の面影を留めおり、街も中世の街並みが保存されています。

●世界遺産「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」の見どころ
「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」は、ドナウ川の約36kmの渓谷一帯をさす世界遺産です。蛇行したドナウ川の両岸は、水郷や田園風景、あるいは切り立つ岩壁など、起伏に富んだ自然の中に、古城や修道院などの中世の歴史的建造物が点在しているのが、見どころとなっています。

観光は、やはりドナウ川の船旅が最適でしょう。観光船は、メルクからクレムス間を、下りは約1時間40分、上りは約3時間で航行します。まず、西側の起点メルク。この街にあるバロック様式の大修道院はヴァッハウ渓谷のシンボルです。

次に、アッグシュタイン城址、白ワインの発祥地ヴァイセンキルヒェンには要塞教会が、そして前述のデュルンシュタイン、東側の起点クレムスに至ります。クレムスは「ドナウのローテンブルク(“中世の宝石箱”と称されるロマンチック街道の街)」と呼ばれる、バロックの街並みが保存された愛らしい街です。

●メルクとクレムスの地理と観光
上記は、世界遺産をライン川から観光した場合の見どころを述べましたが、起点となるメルクとクレマスの街の中もご紹介しましょう。

メルクは、ウィーン西駅から準急で約1時間です。メルクを代表するメルク修道院は、11世紀に設立されました。現在の建物は、18世紀に建てられたバロック様式の建築物で、貴重な写本を含む10万冊の蔵書を誇る図書館や、金色に輝く礼拝堂は必見です。また、テラスから臨むドナウ川の景観も外せません。この修道院は、かのマリー・アントワネットがフランスへ嫁ぐ時に宿泊したことでも有名です。

一方のクレムスは、メルクから船で下るか、ドナウ川右岸を進む路線バスか、ウィーン市内のフランス・ヨーゼフ駅から準急で約1時間です。クレムスは中世にタイムトリップしたような街で、散策では特にワイン博物館に立ち寄るとよいでしょう。建物はかつての修道院を利用しています。

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