トルコ世界遺産

ネムレット・ダウ

トルコには、北西部のエーゲ海に広がる文明の流れにある「トロイ」、中央部には黒海から来たと言われるヒッタイト人による「ハットウシャ」、そして南東部には「コンマゲネ」があります。東のペルシアとの影響を受け、東西の文化が混在した文化です。

その象徴が、ネムルト山にあります。その山頂に、コンマゲネ王の巨大墳墓と巨大像の威容が19世紀に発見されました。1987年には「ネムルト・ダウ」として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

■ギリシアとペルシアが交わるコンマゲネ
「コンマゲネ」は、現在のトルコ南東部のシリアとの国境地帯の古代の呼び名です。アッシリア王国(現イラク北部に発祥し、一時はオリエント一帯を征服)の下にあり、その後はメディア王国(イラン北西部)、そしてアケメネス朝ペルシアの支配下に入りました。

しかし、紀元前4世紀にアレクサンダー大王の東征により、アケメネス朝が亡ぼされます。そして大王死後に成立したヘレニズム諸国の一つ、セレウコス朝ペルシアの一州となりました。

紀元前162年、コンマゲネは王国として独立します。しかしこれは短い期間であり、今度はローマ帝国へと編入されました。王国であった全盛期に、国王はネムルト山の山頂に巨大な墳墓を築きました。これが世界遺産となっている「ネムレット・ダウ」です。

■世界遺産「ネムレット・ダウ」の見どころ
「ネムレット・ダウ」は、標高2134mのネムレト山の山頂にあります。紀元前1世紀、コンマゲネ王アンティオコス1世によって作られた円錐状に積み上げられた墳墓は、直径150m、高さ50mもある巨大なものです。墳墓といっても現在まで内部の発掘をしていませんので、王の墓所なのか、宗教儀式の場であったかは、正確なところは分かっていません。

ネムレット・ダウを有名にしているのは、巨大像の存在です。墳墓は鷹と鷲、ライオンの像に守られており、王の座像やギリシア・ペルシアの神像もあります。像はヘレニズムの特徴を持ち、ギリシアの彫像のような顔に、ペルシア風の髪型や服装となっています。

しかし、神像は全て首がありません。一説では、地震で落ちたとも、偶像崇拝を禁ずるイスラム教徒によるものとも言われています。しかし、落ちた頭部は、墳墓の下のテラスに並んで立っていて、ネムレット・ダウの景観を特殊なものにしています。人の背丈ぐらいの高さのある頭部が朝日や夕陽を浴びるとき、赤く染まる巨像たちの穏やかな表情に、古代のロマンを感じる人も多く、人気の観光地なのです。

■ネムレット・ダウの地理と観光
「ネムレット・ダウ」のあるネムルト山へは、朝日や夕陽の時間を見たいのなら、麓の街キャフタに宿泊するのがお勧めです。アンカラから飛行機でマラテヤ空港を利用し、そこからはタクシーなどで移動します。キャフタのホテルでは「ネムレット・ダウ」へのツアーがありますので、個人で訪れた場合は、それに参加しましょう。ヘリコプターによる観光もあります。

春から秋までが観光シーズンですが、山頂に上がりますので、特に朝日や夕陽のツアーに参加するなら夏がベストシーズンでしょう。不便なところにありますので、長時間の移動を覚悟しなければなりませんが、ミステリアスな光景に魅了される方も多いところです。

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