ポーランド世界遺産

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群

「ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群(Churches of Peace in Jawor and Swidnica)」はヨーロッパ最大の木造宗教建築物で、「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」であるとしてユネスコの世界遺産に登録されています。

現在のポーランドの南西部にあるシレジア地区に「ヤヴォル平和教会」と「シフィドニツァ平和教会」の二つが遺されているのですが、当時もう一ケ所建てられた「グウォグフ平和教会」は火災で焼失しています。

ヨーロッパの教会といえば例外なく石造りなのに、なぜここだけが木造なのでしょう・・

この疑問を解き明かすには「宗教戦争とその終結」という歴史に触れなければなりません。宗教戦争とはカトリックとプロテスタントの間に繰り広げられた争いで、30年も続いたため別名で「三十年戦争」とも呼ばれています。

戦争が終結した1648年以前までは、この地域はカトリックを信奉するハプスブルク君主国(オーストリア)の支配下にあり、プロテスタントの人々は迫害され自分の信仰を守る権利が許されていませんでした。

しかし三十年にも及ぶ戦争が終結し「ウェストファリア条約(講和条約)」が締結され、条約締結国は相互の領土を尊重し内政への干渉を控えることを約したのです。

シレジア地区を統治していたハプスブルク君主もこの条約に基づいてプロテスタントの信仰の自由を認めたのですが、実際にはシブシブ条約に従って見せただけだったのです。

信仰の自由を認められたプロテスタントたちは教会の建設を申請したのですが、これに対する君主の回答は次の通り過酷な条件付のものだったのです。

「街の城壁の外へ建てること。建設作業は1年以内。石やレンガを使ってはならないこと」こうした過酷な条件をつけた理由は「三つの教会がプロテスタントの砦になるのを防ぐため」だったのです。

こうした条件のもと、シレジア地区の建築家は「ハーフ・ティンバー方式(藁の土壁を考案するなどして強度を高め、木材・藁・粘土を活用した木組み)」を使って、見事に現存する巨大な教会を完成させたのです。
いずれの教会にも釘が一本も使われておらず、まさに木組み技法だけで建立したのでした。

外観は質素ですが、内部は見事なバロック様式の装飾が施されています。ちょっと見ただけでは大理石を使ったように見えるほどなのですが、祭壇をはじめ全てが木製です。教会の座席は4層の回廊を設けて、収容人数6000人以上を実現してみせたのです。まさに貴重な文化遺産であり、平和の象徴となっています。

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