ポーランド世界遺産

ザモシチ旧市街

ザモシチ旧市街(Old City of Zamosc)はポーランドの東南端にあり、同じくナチス・ドイツによる破壊を免れたクラクフ歴史地区からは東へ300キロほどの位置にあります。五角形をなす城壁に囲まれた、面積わずか24ヘクタールの小さな街ですが、1580年に建設されたままの姿を今日までそのまま遺した世界遺産です。

この街を造ったのはポーランド・リトアニア連合王国の宰相にして、陸軍の最高司令官でもあったヤン・ザモイスキ(Jan Zamoyski)でした。13歳より国外留学し、イタリアのパドヴァ大学では法律を専攻し政治に深い関心と造詣を持った人物で、16世紀ポーランドに立憲君主制の確立を目指したことで知られています。

後にイギリスで頻繁に使われた「国王は君臨すれども統治せず」(Rex regnat et non gubernat)の言葉は、実はこのヤン・ザモイスキが最初に語ったものです。また近隣国との戦いにおいても多くの武勲をたて、王国およびポーランド・リトアニア共和国の黄金時代を確立した、まさに大宰相でした。

功なり名を上げた大宰相が晩年に描いた夢は、若き頃留学先のイタリアで見た町並みの美しさを故国に建設することでした。一方戦いのための要塞としての機能を持たせるために高い石垣の城壁で周囲を囲い、場内は商業のための町並みと政治や文化宗教のための地域を区分したのですが、その建築様式はあこがれていたイタリア・ルネッサンスのものでした。

そのこだわりは並大抵のものではなく、わざわざイタリアから建築家ベルナルド・モランドをポーランドのこの地に呼び寄せて建設を依頼したほどでした。

街を囲む城壁は大砲に対する攻撃に耐えうるように、石垣を高く積み上げ、五角形の各所には見張り台と大砲を置き、外的の攻撃に耐える構造になっています。世界的にはカナダ・ノバスコシアのハリファックスや北海道函館市の五稜郭のような死角のない多角形をした要塞都市です。このため今日まで幾多の攻撃にも耐えて、建設当時の姿を今に遺している貴重な文化遺産となりました。

ザモシチ旧市街の中心広場にそびえ立つ市庁舎はザモシチを象徴する建築物です。この市庁舎は建築様式としては、ルネッサンスとゴシックが融合したものとなっています。

街の中央にある広場は周囲を高さを統一したカラフルな建物で囲まれています。ワルシャワの市場広場、クラクフの中央市場広場とよく似ているのですが、よく見ると各建築物の一階部分がアーケード形式になっています。雪が多いこの地方では、このアーケードだけで広場に面する建物をグルッと一周できるようになっていて、冬場の交易を助けて来たことが偲ばれます。

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