日本世界遺産

法隆寺

『柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺』 有名な俳句ですが、一体誰の句かご存知ですか? 昨年まで三年連続放映された『坂の上の雲』にも出てきた、正岡子規の句です。子規が松山から上京する際に立ち寄った茶屋で詠んだと言われています。夕陽で染まる空の色と、柿の色をかけた、美しい句ですね。

法隆寺は、「法隆寺地域の仏教建造物」として1993年に世界遺産への登録が行われました。世界遺産に登録されているのは、法隆寺に属する47棟の建造物と法起寺に属する1棟の建造物を合わせた48棟です。

さて、そんな法隆寺ですが、やはり最初に頭に浮かぶのは建立を命じたという『聖徳太子』(厩戸王/うまやとおう)ではないでしょうか。近年の研究では、聖徳太子という人物の存在自体があやしいといわれていますが、少なくとも聖徳太子のモデルとなった人物がいたことは間違いないようです。

法隆寺が建立されたのは、推古15年(607年)とされています。飛鳥時代、推古天皇の代の頃のことですね。ちなみに世界最古の木造建築物でもあります。海外、特に欧米の建築物は石が基調になっていることが多いのです。少し話がそれますが、日本は地震が多い国ですので、石造りの建築物は作り辛い風潮があります。今でも木造に障子や襖があるという家屋はたくさんありますよね。海外の方からすると、紙と木でできている和風家屋は驚くべき建築物に見えるそうです。国が違えば文化が違うという言葉のお手本のような意見ですね。

法隆寺が建立された7世紀ごろには、古墳文化に代わって、仏教文化中心の飛鳥文化が蘇我氏や王族によって広められました。飛鳥文化以前に権威を象徴するものといえば古墳でしたが、この頃から寺院が豪族たちの権威の象徴となったのです。この頃の建築様式は『伽藍建築』と呼ばれています。礎石や瓦を用いました。これらの技術は中国・南北朝、高句麗や百済の文化の影響を多く受けたものです。小野妹子で有名な遣隋使たちが持ち帰った技術や、渡来人によって作られました。

西院伽藍と東院伽藍にわかれている法隆寺ですが、有名な『五重塔』『金堂』があるのは西院伽藍で、東院伽藍は聖徳太子が住んでいた斑鳩宮の荒廃ぶりを嘆いた僧侶による後の寺院です。しかしどちらも素晴らしいものであることにかわりはありません。東院伽藍にも『夢殿』という国宝に指定されている建物があります。

しかしやはり、法隆寺といえば五重塔ですよね。
五重塔というのは仏塔の一種です。仏塔とはお釈迦様の遺骨(仏舎利)を祀るためのものです。

法隆寺の五重塔は日本で最も古いものです。五階建ての塔という意味ではなく、上ることはできません。塔の内部は耐震性を高めるために軒を支える木組が複雑にめぐらされています。塔が高いのは、境内に入ることができない一般人が遠くから参拝できるように、という思いが込められています。

金堂に安置されている仏像で有名なものといえば、鞍作止利(くらつくりのとり)作といわれる『法隆寺金堂釈迦三尊像』でしょう。これは、法隆寺の本尊であり、聖徳太子の冥福を祈るために造られたとされています。聖徳太子と同じ頭身で造られています。

この三体の仏像の特徴は、いずれも真正面を向いていて、脇侍菩薩像は背面が省略されていることです。正面から見ることだけを目的とされており、中国やギリシャ初期の彫刻と同様の様式です。また、いわゆるアルカイックスマイル(唇が微笑み、目が三日月のような半眼)を浮かべています。

他にも、壁画がありましたが、これは1949年に火災で焼失してしまいました。模写作業の最中の不審火が原因でした。この事件をきっかけに『文化財保護法』が制定され、壁画が焼失した1月26日は『文化財防火デー』とされています。

さて、法隆寺にある美しい(美しかった)宝といえば、玉虫厨子(たまむしのずし)ですね。これは文字通り、玉虫の羽を飾りに使った七色に輝く(輝いていた)厨子です。当時張られた玉虫の羽は現在ではほとんど残っていませんが、数枚残るものからさぞや綺麗に輝いていたことだろうと想像できます。……ただ、少々不気味だと思ってしまうのは現代人の感覚だからでしょうか。当時、玉虫の羽は宝物だったのです。
法隆寺は飛鳥文化を代表する建築物です。奈良県を訪ねた際にはぜひ立ち寄ってみてください。

国でさがす
イタリア
スペイン
中国
フランス
ドイツ
メキシコ
イギリス
インド
ロシア
アメリカ
オーストラリア
ブラジル
ギリシャ
日本
カナダ
スウェーデン
イラン
ポルトガル
ポーランド
チェコ
ベルギー
トルコ
オーストリア
ペルー
スイス
韓国
オランダ
ブルガリア
エチオピア
キューバ
アルゼンチン
クロアチア
ノルウェー
フィンランド
ルーマニア
ハンガリー
チュニジア
南アフリカ
モロッコ
スリランカ
アルジェリア
エジプト
タンザニア
インドネシア
ベトナム
コロンビア
オセアニア
南米
中米
西・中央アジア
東南アジア
中東諸国
アフリカ
旧ユーゴ
バルト三国
旧ソ連地域
中央ヨーロッパ
北欧
知られざる小国