日本世界遺産

毛越寺(平泉)

夏草や つはものどもが 夢のあと
松尾芭蕉の有名な句の一つですね。これは、毛越寺(もうつうじ)に芭蕉が訪れた際に詠まれたものです。栄華を極めた奥州藤原氏が三代で滅んでしまったことを詠いました。

同じ平泉の、毛越寺から1キロほど北上したところにある、中尊寺金色堂に対しては、

五月雨の 降のこしてや 光堂

と詠みました。いかに奥州藤原氏が栄え、黄金文化を持っていたかが伺い知ることができますね。これらの句は『おくのほそ道』(芭蕉のみちのく俳諧紀行)に載っています。現代語訳もありますので興味があるかたは書店で探してみてください。

ちなみに、中尊寺、瑞巌寺(松島)、立石寺(山形)と合わせて「四寺廻廊」のコースに設定されています。これは松尾芭蕉が「おくのほそ道」で訪れた四つの寺を巡礼するもので、それぞれの寺で御朱印(スタンプ)と日付を書いていただくことができ、全部巡礼した際には記念品が貰えます。わたしは一泊二日の強行軍で四寺廻廊に挑戦しました。立石寺→瑞巌寺(一泊)→毛越寺→中尊寺というコースで、記念品は『尊』と書かれた色紙でした。

毛越寺――これを『もうつうじ』と読むのはなんだか変な感じがしますね。元々毛越(けごし)という地名を音読みしたのが「もうおつ」で、それが訛って「もうつう」になりました。古くは「もうつじ」と呼ばれていたこともあるようです。

広い敷地の中には大きな池(大泉が池)を中心に、数多くの寺の跡があります。幾度も火災に見舞われ、ほとんどの寺が焼失してしまったのです。『吾妻鏡』(中世の歴史書)によるとお堂や塔が四十を超え、禅房(お坊さんの宿泊施設)が五百を超えるとあります。もし焼失していなければ、中尊寺すらも超える規模の寺だったといわれています。非常に残念なことですが、中尊寺ほか平泉の寺社仏閣とともに世界遺産登録され、美しい状態を保つことができるようになりました。

現在見られる本堂は1989年に平安様式で再建されたものです。世界遺産登録は2001年に暫定リストに記載され、その後紆余曲折を経て、2011年6月25日に無事登録となりました。平泉一帯の世界遺産は日本で最も新しく登録されたものなのです。

大泉が池にはたくさんの工夫がなされていて、庭園散策としてぐるりと一周めぐることができるのですが、どの角度から見ても非常に美しい景観となっています。州浜があったり、出島があったり、築山があったり、見どころはたくさんあります。また、遣水と呼ばれる水を引く小さな水流があり、毛越寺の遣水は平安時代のものとしては日本唯一のものです。

曲水の宴と呼ばれる遊びがあります。

遣水のふちに座り、流れてくる盃が自分の前を通り過ぎるまでに歌を詠んで、盃の酒をのんで次へ流すというものです。

毛越寺でも毎年五月の第4日曜にこの行事は行われています。1986年に遣水の遺構が復元されたことを記念して開かれるようになりました。なかなか流れが早いように見えたので、なかなか難しい雅やかな遊びだと思われます。一度は挑戦してみたいですね。
庭園が平らなので、お年を召した方や、足の悪い方でもゆっくり散策できるのが良いところだと思います。新幹線のとまるJR一ノ関駅からバスやタクシーもでていて交通アクセスも悪くありません。(電車は少々乗り継ぎが悪いです)また、文化遺産が集中しているので、レンタサイクルで回るのも楽しいでしょう。

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