日本世界遺産
白神山地
白神山地は、日本の青森県南西部から秋田県北西部にかけて広大に広がるブナの原生林を中心にした山地です。
その広さは130,000ヘクタールに及び、ブナの原生林16,971ヘクタールあります。
このブナの原生林のある一帯が1993年12月11日に日本の世界遺産として登録されました。

産業の発達や経済成長に伴い自然が失われ環境破壊も進んでいった日本ですが、この青森から秋田の地に世界から認められる豊かな天然林があるのです。
広大なブナ天然林とその生態系が日本の世界自然遺産としての価値を認められました。
日本で世界自然遺産としての登録を受けたのは、白神山地が初めてになります。
これはとても意義のあることで、白神山地のある青森県や秋田県、そして日本だけではなく、世界がこの自然を守っていくということを強く宣言したことに他なりません。
世界遺産に登録されると手を加えないように保護して、そのままの状態を受け継いでいく核心地域とその周辺地域の緩衝地域に分けられます。
核心地域は次世代に白神山地の貴重な自然環境を受け継いでいくため、既存の指定ルート以外には山を切り開いて道を整備したりすることはできず、立ち入りも規制されています。
青森県側の核心地域では既存の歩道と27のルートが指定されていますが、指定ルートでも自然がそのまま手つかずになっているため、危険な場所もあります。
登山を行いたい場合は、入山手続きを行う必要があります。
こちらの世界遺産核心地域に入山する登山者は、帰り道のルートを確認しながら自分の責任で歩くことが求められるとともに、自然を損なう行為がないようにしなければなりません。
観光客でも気軽に訪れられるような場所もあり、これらを歩く時は特に届け出は必要ありません。
例えば高倉森歩道、白神岳、小岳、藤里駒ケ岳、二ツ森、暗門の滝、十二湖、太夫峰、岳岱自然観察教育林などです。
ブナ散策歩道や暗黙の滝歩道などは1時間~2時間程度で散策できるので、本格的な登山をせず、白神山地の雰囲気を感じ、森林浴を楽しむにはおススメのコースです。
なお、こちらに赴く際は、スカートにヒールやサンダルといった服装ではなく、山歩きのしやすいズボンを身に着け、歩きやすい靴で行くことが必要です。
また、生態系を守るため、犬などのペット等を連れて散策することができませんので、注意してください。
こちらには日本の特別天然記念物であるカモシカやヤマネ、クマゲラやイヌワシのほか、ニホンザルやツキノワグマが生息していると言われています。
また日本で国内希少種に指定され絶滅危惧種とされているクマタカや、最近注目を集めているシノリガモもいます。
シノリガモは、白神山地の赤石川で繁殖をしたことが、日本国内で初めて確認されました。
日本の世界遺産・白神山地へのアクセスは、青森県側からの場合、JR弘前駅からバスで約50分の西目屋村役場で下車し、西目屋館を起点とするか、秋田県側の場合はJR二ツ井駅からバスで30分の湯ノ沢で下車し、藤里館を起点に登山や散策が可能です。