ブラジル世界遺産

グアラニー・バロック様式のイエズス会伝道所群

現在のブラジルとアルゼンチンの国境のあたりに誇り高い先住民グアラニー族は住んでいました。18世紀半ば、信仰深い宣教師ガブリエル神父は、「音楽」を共通の言葉としてグアラニーの民の心をつかんでいきます。

そして、スペインの植民者であった奴隷商人のメンドーサと共に最期にはスペイン・ポルトガル両国に背いて先住民と運命を共にして戦った男たちの物語。それが、1986年かの有名なロバートデニーロ主演のイギリス映画です。この映画のモデルとなったのが、現在世界遺産登録されているグアラニーのイエズス会伝道所群です。

ここは世界遺産の中でも珍しくブラジルとアルゼンチン両国にまたがって世界遺産登録されているところで、そこに秘められた歴史の背景には、映画「ミッション」に描かれているような壮大なストーリーがあったことでしょう。

グアラニー族はもともとアメリカ州の先住民族で、農耕を主に生計を立てていました。17世紀頃には、ブラジルのサンパウロを根拠地とする奴隷商人が、ブラジルで労働させるために、グアラニー族を捕らえて奴隷にするということが頻繁に起こっていました。そこで、グアラニー族の警備をかねてイエズス会は、グアラニー族へのキリスト教の普及活動を行うためブラジル南部、アルゼンチン北部、パラグアイの国境が接するあたりのウルグアイ川とパラナ川に囲まれた密林地域を普及活動の中心としました。

普及を進めるとともに数々の伝道所が建設され、一時は一万人余りの人々が暮らしていたと言われています。イエズス会は普及活動の傍らで、プランテーションなどでの強制労働や奴隷狩りから逃れたグアラニー族を匿い、彼らとともに共同生活を送りました。しかし、1767年に当時のスペイン王カルロス3世がアメリカ大陸のスペイン領土からイエズス会の追放を命じたために、伝道所の共同体生活は崩壊し、集落は放棄され廃村となってしまいました。

グアラニーのイエズス会伝道所群のうちブラジルにあるのは、サン・ミゲル・ダス・ミソンイスというリオグランデ・ド・スル州北西部の小さな町にある遺跡です。1983年に「サン・ミゲル・ダス・ミソンイス遺跡」の名で、ユネスコの世界遺産に登録されましたが、翌年アルゼンチンの他の伝道所群と合わせて「グアラニーのイエズス会伝道所群」として再登録されました。日干しした赤い煉瓦造りの伝道所跡には、グアラニー・バロック様式で造られたと思われる赤煉瓦の壁面を見ることができます。

かつてグアラニー人たちと宣教師たちの間にどんな絆が生まれたのか。何を信じ、どんな理想で戦ったのか。遠い時代に思いをはせてみるのもいいかもしれません。

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