インド世界遺産

デリーのフマユーン廟

インドの首都・デリーの中央部、ヤムナー川のほとりに、1993年に世界遺産に登録された『デリーのフマユーン廟』があります。

16世紀に建造された『デリーのフマユーン廟』は、ムガル帝国の第二代皇帝であったフマユーンの霊廟で、妃であったハージ・ベグム(ハシーダ・バーヌー・ベーガム)が建造を命令しました。約9年の時日をかけて造られたこの『デリーのフマユーン廟』には、皇帝フマユーンや妃、王子を始め、宮廷人たち約150人が埋葬されている巨大な霊廟なのです。

 『デリーのフマユーン廟』は上下の2層構造となっており、下層である「基壇」は、一辺が約95m、高さ約7mあります。この基壇の上に、上層部である廟が乗っかっている様な造りをしています。外観は、赤砂岩と白大理石を組み合わせて描かれた豪華な幾何学模様が施されています。ファサード(正面のデザイン)は、東西南北どの方向からも同じ様にイーワーン(天井がアーチ状で四方のうち一方だけが壁のないホールのようなもの)が見える造りとなっているのが特徴です。内部は外観の装飾とは反対にシンプルで、ほとんど装飾はされていません。
内部は中央の「玄室」を中心に、4つの墓室があります。「玄室」の中央には、白大理石で作られた模棺(セノターフ:仮のお墓)があり、その直下にフマユーンの遺体が収められている棺があります。

 世界遺産『デリーのフマユーン廟』にはもう一つ特徴があります。それが庭園です。約10ヘクタール以上という広大な緑の植物がある庭園は、正方形(チャハル・バーグ形式)に区切られており、水路や園路が格子状に作られています。この庭園も、東西南北どこからみても同じに見えるように作られています。この様式は、イスラム教にとっての天国を表すと言われ、ペルシア式庭園に似ています。ペルシア出身の妃らしい造りになっていると言えます。このチャハル・バーグ形式の庭園の造りは、インド・アジア初めてで最古のものとなっています。その後、タージ・マハルやアーグラ城塞などムガル帝国時代に次々と使われるお馴染みの様式となっていきました。

 これらペルシア文化とインド伝統の建築様式が融合した始めての建造物が『デリーのフマユーン廟』であり、ムガル建築が生まれた場所でもあるのです。このムガル建築が後に有名なタージ・マハルで絶頂期を迎える事となるのです。

 この廟のお陰で、戦いに敗れ帝国領土を失い、約15年もの長い間国外亡命を余儀なくされ、ほとんど実績がなかった皇帝であったにもかかわらず、フマユーンが歴史に名前を残す事が出来たといっても過言ではないのです。妃のフマユーンに対する思いが十分伝わってくる見事な廟となっています。

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