ドイツ世界遺産

古典主義の都ヴァイマル

「人間を堕落に導くもっとも大きな悪魔は、自分自身を嫌う心である。」数々の名言を残した詩人ゲーテの言葉です。世界の文化史上大変重要な人物であるゲーテは、晩年の20年ほどをヴァイマルというドイツ中部にある都市で過ごしました。

もともとは、農業王国の首都だった町ですが、人口わずか6000人の小規模な町でした。18世紀に当時の君主カールアウグストがかの有名なゲーテを行政官として招いてから、徐々に文化都市として発展していき、同じく詩人であり思想家であるシラーが加わったことにより、ドイツ文化の一大拠点として繁栄しました。その後も音楽家リストをはじめ数多くの芸術家がヴァイマルの地に集まり文化活動を行ったそうです。ゲーテとシラーは互いに深い友情で結ばれており、相乗効果で数多くの名作を生み出しました。

ゲーテの代表作である「ファウスト」もこの地で完成したといわれています。ゲーテはシラーと共に宮廷劇場の運営にも力を注ぎ、数々の作品を上演しました。現在は国民劇場となっている宮廷劇場は、20世紀にはドイツ国民議会が開かれ「ワイマール憲法」が制定された歴史的にも価値のある場所となりました。  

古典主義の都ヴァイマルには、ゲーテやシラーの家が記念館として保存されているほか文化的に重要な数々の名所があります。市の城には、国立美術館やヴァイマル古典期財団が入っており当時の著名な絵画を見ることができます。文学サロンの舞台となっていた寡婦アンナ・アマーリアの宮殿もヴィーラント記念館として残っています。アンナ・アマーリアが創設したアンナ・アマーリア大公妃図書館は、残念ながら2004年の火災で多くの蔵書が失われてしまいましたが、当時の様子を知ることができる貴重な資料が置かれています。

ゲーテのガーデンハウスは1776年にカールアウグストから贈られたもので、イルム川を渡った静かな公園のなかにぽつんと建っています。彼は1782年まで主にここで暮らし、庭園やイルム河畔公園の造園に力を注いだとされています。ゲーテの愛したその静かなたたずまいに彼の思想の原点を考えさせられる人もいることでしょう。音楽家リストの家もあり、リストにちなんだリスト音楽院学校もみることができます。哲学と美術と音楽と芸術の秋を彩るにふさわしい文化的財産にたくさん出会える都といえるでしょう。

人間を堕落に導く悪魔、自分自身を嫌う心にもし出会ってしまったら、ゲーテやリストの芸術に浸りながら古典主義の都ヴァイマルで自分自身を見つめ直してみるのもいいかもしれません。

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