ドイツ世界遺産

ヴィースの巡礼教会

キリストが磔にされたときの傷と同じ、両手両足の中心から釘を打たれたように出血をするスティグマータ=聖痕といわれる現象は現在まで伝わるキリストの奇跡現象の一つです。他にもいつまでも腐らない死体や、血の涙を流すマリア像など世界各地でキリストにまつわる超常現象が報告されています。その中でも興味深い現象がドイツバイエルン州の南にあるヴィースという場所に伝わっています。

今からおよそ300年前、ある農家の婦人がシュタインガーデン修道院の修道士が作った木彫りの「鞭打たれるキリスト像」を譲り受けました。その像はあまりにも痛々しい姿だったため、長く人々の目に晒されていませんでした。長い封印を解き、婦人が自宅で祈りを捧げたところ、キリスト像が涙を流したと言われています。その噂は「ヴィースの涙の奇跡」として広まり、たくさんのキリスト教徒がヴィースの地に巡礼に訪れるようになりました。

それからおよそ10年後に、ヴィースの地に祈りの場所としてヴィースの巡礼教会が建てられました。ドイツロココ様式で有名なドミニクス・ツィンマーマンが特別な情熱をもって設計しました。始まりは農家の祈りの場ということもあり、牧場の中にひっそりと建つ質素な造りの外観ですが、ロココ様式の内装は非常に美しく、ドイツロマンチック街道屈指の観光スポットとなっています。内装と外装のギャップもさることながら、アルプス山脈を背に、広大な緑の自然の中に立つ真っ白な壁と赤い屋根が素朴なかわいらしさを醸し出し、それだけでも絵になる景色だといえます。

特に美しいのは、「天から降ってきた宝石」と称されるほど美しい天井画で、これは当時の宮廷画家のヨハン・バプティストの作品であると言われています。鮮やかな色彩のコントラストが、白と金の縁取りに映え目を見張るような美しさです。天井画へと続くパイプオルガンもとても華やかに装飾され見ているものを楽しませてくれます。

伝説にある涙を流した「鞭打たれるキリスト像」は主祭壇に飾られています。像はキリストが流した血を表す赤い柱とキリストの奇跡の力を表す青い柱に囲まれ、献身を表すペリカンと自己犠牲の象徴である羊の像に見守られながら今も奇跡を願うたくさんの巡礼者の心の源となっています。

ヴィースという言葉はドイツ語で草原という意味を持っています。その名の通り、なみなみと広がる草原の中規模が大きいわけでもなく、ドイ質素で素朴な教会ではありますが人々に愛され、今では多くの人々が訪れるヨーロッパでも屈指の巡礼スポットとなっています。

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