フランス世界遺産

コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観

「コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観」は、2011年に世界遺産に登録された物件で、南フランスのランドック・ルーション地方からミディ・ピレネー地方にかけて広がる地域です。この地域は「コース地方」と「セヴェンヌ地方」からなり、コースとセヴェンヌには種々の動植物が生存し、美しく豊かな自然景観を形成しています。

「コース地方」は、標高800m~1200mの「カルスト台地」です。「カルスト」とは、水に溶解しやすい石灰岩などの成分が雨水によって浸食し、変化してできた地形のことで、世界各地で見られます。「コース地方」のカルストは、いわばそのフランスの代表格です。「カルスト高原」のことをフランス語で「コース」といい、この単語がそのまま地方の名前として使われています。「セヴェンヌ地方」は、中央高地を形成する山脈で、最高地点はロゼール山の約1,700mです。「セヴェンヌ地方」はコース地方と地質が違い、主な成分は花崗岩で、約300万年前から地形を形成していました。それ以降、地殻変動や様々な自然的要因により新しい岩が何層にも重なり、現在の山脈を形成しています。「コース地方」と「セヴェンヌ地方」は、このように全く違った地質の地域が隣接した地域で、「コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観」というと、そこには多種多様な自然の光景が含まれることが想像できるでしょう。

「コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観」には、大きな国立公園が2つあります。一つは、コース地方の大半を占める「グラン・コース地方自然公園」で、もう一つは、コース地方のメジャン高原を含む「セヴェンヌ国立公園」です。特にセヴェンヌ国立公園の規模は壮大で、周辺地域も合わせると、総面積は3,200km2以上になります。これは、東京都のおよそ1.5倍の広さです。ですから、いかに広大な地域が自然公園として国に保護されているかがお分かりいただけると思います。実際に国立公園制定後、それまで減少傾向を辿っていた多くの動植物が復活してきました。それは、保護繁殖によるものだけでなく、自然に回復したものも数多くあります。そして2011年に世界遺産に認定されてから、更に周辺地域の保護活動や観光客向けサービスの向上が期待されています。

世界遺産「コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観」に該当する地域では、古くから牧畜が盛んに行われてきました。コース地方では主に羊、そしてセヴェンヌ地方では山羊です。これらの牧畜は、現在はその数の減少が見られますが、現在でも行われています。そして、その光景がとてものどかで、人々の心に安らぎを与え、気持ちを和やかにしてくれます。

フランスには遺跡や歴史的建造物群などの多くの世界遺産が登録されていて、それぞれが世界中から多くの観光客を惹きつけていますが、フランスののどかで牧歌的な一面が見られる「コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観」もまた、旅の途中で是非立ち寄りたいところです。

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