フランス世界遺産

オランジュのローマ劇場とその周辺及び「凱旋門」

南フランスにあるプロヴァンス地方は、フランスで最も気候が穏やかで、ヴァカンスを過ごす人たちで賑わう場所として有名です。その中の都市、オランジェには、古代ローマ帝国時代の遺跡があり、その中の「ローマ劇場」と「凱旋門」は、「オランジェのローマ劇場とその周辺及び凱旋門」の名称で、1981年に世界遺産に登録されました。

1981年には、フランスにある古代ローマの遺跡が高く評価されたようで、同じプロヴァンスにある「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」も同年に世界遺産に登録されました。このように、プロヴァンスの地には、ローマ帝国がヨーロッパで版図を拡大していた頃の遺跡が多く残され、それらが世界中の観光客を惹きつけています。

「ローマ劇場」とは、古代ローマが領土内の都市に築いた劇場のことで、半円形が特徴です。現フランスの一部は、かつてローマ帝国の支配下にあったことから、ローマ劇場が幾つかあり、その中でも「オランジュのローマ劇場」は、最も保存状態が良いことで知られています。

「オランジュのローマ劇場」は、1世紀のアウグストゥス治世の時に建造されました。その規模は、舞台幅(半円の直線を描く箇所)は100m以上もあり、舞台後部の壁は高さ37mもあります。この劇場は1万人の収容が可能で、かつては喜劇上演や演説の場所として利用され、多くの観客が詰め掛けました。

4世紀からこのローマ劇場は徐々に荒廃していき、何世紀にも亘り廃墟となっていましたが、1825年に、プロスペル・メリメの指揮の下で、修復計画が開始されました。尚、メリメは後にブルゴーニュ地方にあるヴェズレーの教会も修復し、こちらもまた世界遺産に登録されています。

「オランジュのローマ劇場」は、再建された後再び劇場として利用されるようになり、現在では、毎年夏に、オペラやコンサートなどの催し物が行われています。舞台中央上部には、ローマ皇帝アウグストゥスの像が飾られていて、舞台に登場する音楽家や観客を見守っていますが、古代ローマの劇場が、現在もその機能を失わずに利用されているということは、驚くべきことです。

「オランジュのローマ劇場」と共に世界遺産になった、「オランジュの凱旋門」は、紀元前20年頃に建てられたといわれています。その当時は、ローマがオランジュの街を建造したその記念塔として建てられました。現在でもこの凱旋門は殆ど当時のままの姿で残っていて、高さ22m、幅21m、奥行き8mの凱旋門には、ローマ古典主義とギリシャのヘレニズム文化の影響を受けた彫刻が豊富に見られます。

私たち日本人が「凱旋門」というと、真っ先にパリの凱旋門を思い出します。パリにある「エトワールの凱旋門」は高さ50m、幅45mという規模ですから、それに比べると、オランジュの凱旋門は半分くらいの大きさで、見劣りがすると思われるかもしれません。しかし、「オランジュの凱旋門」には紀元前から続く歴史的な重みがあり、間違いなく一見の価値があります。

フランスに残る古代ローマの遺跡として名高い「オランジュのローマ劇場とその周辺及び凱旋門」は、冒頭で述べたアルルのローマ遺跡群と併せて訪れることをオススメします。

国でさがす
イタリア
スペイン
中国
フランス
ドイツ
メキシコ
イギリス
インド
ロシア
アメリカ
オーストラリア
ブラジル
ギリシャ
日本
カナダ
スウェーデン
イラン
ポルトガル
ポーランド
チェコ
ベルギー
トルコ
オーストリア
ペルー
スイス
韓国
オランダ
ブルガリア
エチオピア
キューバ
アルゼンチン
クロアチア
ノルウェー
フィンランド
ルーマニア
ハンガリー
チュニジア
南アフリカ
モロッコ
スリランカ
アルジェリア
エジプト
タンザニア
インドネシア
ベトナム
コロンビア
オセアニア
南米
中米
西・中央アジア
東南アジア
中東諸国
アフリカ
旧ユーゴ
バルト三国
旧ソ連地域
中央ヨーロッパ
北欧
知られざる小国