フランス世界遺産

アルビの司教都市

南フランスのピレネー山脈に位置する、ミディ・ピレネー地方タルヌ県アルビ。アルビは中世の面影を残す美しい街並みが大変有名で、アルビ旧市街地は、「アルビの司教都市」という名称で、2010年に世界遺産に登録されました。

世界でも有数の世界遺産保有国であるフランスにおいて、「アルビの司教都市」は最も新しい世界遺産物件の一つになります。アルビは、1996年から、ユネスコに世界遺産登録申請を行っており、14年越しで、ようやく夢を実現させました。「ユネスコによる承認」という称号は大変大きく、これから先、観光地として、より脚光を浴びていくことが予想されます。

アルビは、5世紀には既にローマの支配下にありました。しかしローマの支配は長く続くことなく、様々な民族がアルビの地の奪取を試み、418年には西ゴート族が、更に507年にはフランク族が、アルビを支配下に置きました。アルビの情勢は、常に不安定で、その地域争奪戦は12世紀迄まで続きました。10世紀半ばには、フランス南部及びイタリア北部で、「カタリ派」(=別名「アルビ派」)と呼ばれる集団の民衆運動が起こり、彼ら独自の思想でアルビ周辺の地域を統治しようとしましたが、その試みは、ローマ教皇が2度の十字軍を派遣したことにより失敗し、13世紀には、カトリックがアルビを制圧しました。それ以降は、ローマ・カトリックが権威を振るう都市になります。そして、「アルビの司教都市」に現存する歴史的建造物も、この時代に多く生まれることになりました。

アルビは13世紀以降現在に至るまで、カトリックが主流の都市ですが、その間にも様々な試練が待ち受けていました。フランス革命(1789年)後、聖職者たちの資産は没収され、聖堂やそのほかの宗教施設は、荒廃の道を余儀なくされました。更に第二次世界大戦後には、アルビは放置され、市民が次々に市外へ流出する過疎地になったのです。しかし、1968年に、自治体による保護宣言を受け、それ以後本格的に街並みの復旧に向かっていきます。長い年月をかけて街並みを復旧させ、そして世界遺産に登録申請をするに至ったのです。アルビはこうして荒廃の時代から立ち直り、今では「アルビの司教都市」という、フランスの観光スポットの一つになっています。

「アルビの司教都市」の街並みは、赤レンガ造りが特徴です。これは、アルビ周辺で採れる石材の質が非常に悪く、石材を使えなかったことが理由にあります。しかし、赤レンガのやむを得ない利用が、結果的に「南仏ゴシック様式」という独特のゴシック建築を生み出し、その景観は、石材には出せない温かみのある美しさを放っています。フランス各地にある大聖堂の殆どが石材の建築物ですが、13世紀~16世紀にかけて造られたアルビの「サント・セシル大聖堂」は、赤レンガ造りの建築物で、レンガ造りの聖堂としては、世界最大の大きさを誇ります。また、15世紀にはイタリアで始まったルネサンス様式がアルビにも伝わり、その当時のカトリック権力者や富裕層は、ルネサンス様式を取り入れた豪華な建物を次々に建設しました。その当時の建築物は、現在も見ることができます。

中世南仏の雰囲気そのままの「アルビの司教都市」は、現存する教会、宮殿、中世の富豪たちが建てた建築群など、全てが温かみのある美しさをもって観光客をもてなしてくれます。フランスの新しい観光スポット「アルビの司教都市」は、日本人にもまだあまり知られておらず、新たな観光地を開拓したい方には是非お勧めです。

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