フランス世界遺産

ベルギーとフランスの鐘楼群

ベルギーの南部からフランスの北部にかけての地域には、数多くの「鐘楼」があります。「鐘楼」とは町の中央にそびえる巨大な鐘塔のことで、中世ヨーロッパでは非常に重要な役割を果たしていました。

他国に支配され、抑圧された中で生きることを余儀なくされてきた人々にとって、鐘楼を建てることは、「自由」を勝ち取ったことを証明することであり、また繁栄の証でもあったのです。そして、自由と繁栄の時代を謳歌する人々にとって、鐘楼から奏でられる美しい音色は、明るい未来を象徴するものでした。

これらの鐘楼で、ベルギーのフランドル地方とワロン地方にある鐘楼群は、1999年に世界遺産に登録されました。そしてその6年後、ベルギーの鐘楼群に、フランスのノール・パ・ド・カレ地方とピカルディ地方の鐘楼群が加わり、現在では合計56本もの鐘楼が「ベルギーとフランスの鐘楼群」として世界遺産に登録されています。ですから、この世界遺産は、フランスとベルギーが「世界遺産」の称号を共有していることになります。フランスにはこのように、他国と世界遺産を共有している物件がもう一箇所あり、フランス南部・ピレネー山脈にある「モン・ペルデュ」は、スペインと共有の世界遺産になっています。

「ベルギーとフランスの鐘楼群」を構成する鐘楼には、「カリヨン」という楽器が備えられています。「カリヨン」とは、複数の鐘を組み合わせて造られた楽器のことで、ヨーロッパには多くのカリヨン奏者がいるくらい、一般的な楽器です。カリヨンを備えた鐘楼は、主に13世紀から17世紀にかけて建立されてきました。その建築様式は、ロマネスク様式やゴシック様式と様々で、時代の流行が反映されたのだと思います。13世紀~14世紀にかけて造られた鐘楼は、がっしりした造りが特徴でしたが、徐々にその建築様式は、縦長のものに変わっていき、16~17世紀にかけて造られた鐘楼は、天に向かって細く、長く伸びるようなシルエットになりました。そして鐘楼の持つ性格も、「自由」「繁栄」を象徴するものから、モニュメント的な意味合いに変わっていきました。

フランス北部の大都市には、必ずといっていいほど、鐘楼があります。ノール・パ・ド・カレ地方の首府・リールや、港町として栄えてきたカレ、世界遺産「アミアン大聖堂」で有名なアミアンなどの町の中央にも、鐘楼があります。これらの鐘楼は現在も美しい音色を奏で、町の人々の心を楽しませています。

現在世界遺産に名を連ねている鐘楼は、前述の通り56本あり、そのうちベルギーのものが33本、フランスのものが23本です。これら56本の鐘楼は、それぞれがオリジナルのカリヨンを持ち、鐘楼によって、違った音色を奏でています。

フランスやベルギーは言うまでもなく、芸術大国として知られていますが、その名声は絵画や彫刻に留まるものではありません。印象派やフランドル絵画など、目を楽しませる芸術を求めてフランスとベルギーを訪れる観光客は多いでしょう。しかし「カリヨンの音色」を求める旅もまた個性的で楽しい旅になるに違いありません。

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