フランス世界遺産

ストラスブールの グラン・ディルとノイシュタット - (2)

ストラスブールには、フランスとドイツの特色を併せ持つ、独特の景観があります。それは、単にドイツ国境に近いからということだけではなく、ストラスブールがマルティン・ルターによる宗教改革の舞台にもなったことなどが、一因として挙げられるでしょう。「ストラスブールのグランディル」では、そんな複雑な歴史を垣間見られる多くの世界遺産を目にすることができます。

宗教改革の舞台となったのは、「サン・トーマ教会堂」です。ここは、マルティン・ルターに賛同したマーティン・ビューサーが活動を開始した場所です。ビューサーは、サン・トーマ教会堂の参事会会長に就任すると、次々にルターを擁護する論文を発表していきました。「サン・トーマ教会堂」は、パイプオルガンの音色の美しさも人々に知られており、1778年には、モーツァルトがここで演奏会を開きました。宗教改革により、プロテスタントの活動拠点の一つとなった「サン・トーマ教会堂」は、その偉大な歴史の面影を現在でも見せてくれます。

「ストラスブールのグランディル」で最も象徴的な建物は、「ノートルダム大聖堂」です。「ノートルダム大聖堂」は、11世紀に建てられたロマネスク様式の教会が起源で、13世紀、神聖ローマ帝国時代の大規模な改修工事により、ゴシック様式の立派な大聖堂に生まれ変わりました。この大改築に着手したのは、ストラスブールの大司教、ベルトルトです。ゴシック様式はこの当時、新しい建築様式として流行していました。そこでベルトルトはフランスから建築家を呼び寄せ、ロマネスク様式から流行りのゴシック様式に一新したのです。1275年に着工したノートルダム大聖堂は、120年もの歳月をかけて再建され、その後19世紀初頭までは、ヨーロッパで最も大きなキリスト教の大聖堂として、その輝きを放ちました。「ノートルダム大聖堂」には、南側翼廊にある「最後の審判」が刻まれた8本の束ね柱や、16花弁のバラをモチーフにした鮮やかな色彩を放つバラ窓、そして西側正面中央にひしめくように彫られた彫刻群など、随所にフランス最高峰の高い芸術性が見られます。

ヴォージュ山脈から採取した赤砂岩で造られた、アルザス地方独特の外観を持つ「ロアン邸館」もまた一見の価値があります。ここは、未来のフランス王妃、マリー・アントワネットがフランスに到着して最初の夜を過ごした館です。ヴェルサイユ宮殿を真似たアパルトマン形式の館は、「ミニ・ヴェルサイユ宮殿」さながらの豪奢な建築物です。

「ストラスブールのグランディル」にある家屋は、「ハーフティンバー」と呼ばれる木骨組造りが特徴的です。ハーフティンバーの家々は、ここでしか見られません。白壁にダークブラウンの骨組みが埋め込まれた外観は、どことなく可愛らしさがあります。家々は壮大なストラスブールの歴史の違った一面を私たちに見せてくれます。

「ストラスブールのグランディル」には、多くの博物館があります。そこには、オリジナルの聖堂建築物の一部や、中世から受け継がれた様々なものが保存されていて、博物館巡りをすると、より一層ストラスブールに親しむことができるようになるでしょう。

フランスでありながらどことなくドイツの面影を残す世界遺産「ストラスブールのグランディル」は、長い歴史と独特の文化のある場所です。ストラスブールは、私たちをフランスの壮大な中世の世界に誘ってくれるに違いありません。

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