中国世界遺産

青城山と都江堰

「青城山」と「都江堰」は、共に中国四川省都江堰市にあります。「青城山」は、36もの峰からなる山岳で、「都江堰」は古代からある水利施設ですが、これらは「青城山と都江堰」という一物件として、2000年に、世界遺産に登録されました。

青城山は、都江堰市の市街地西側にあり、道教発祥地の1つとしても知られる名山で、景勝の地としても知られています。青城山が開かれたのは、後漢時代衰退期に当たる、143年のことです。この年に、道教の士・張陵が青城山にやってきて、道家の思想である「黄老学説」を学び始めました。そして、その神髄を極めるために、庵を造り、そこに籠って修行に励み、やがて弟子がつくようになりました。張陵の死後、弟子は張陵の教えを青城山で広めたことから、道教が根付くことになりました。こうして青城山は、中国における「道教の聖地」となったのです。現在でも青城山には多くの道教寺院が残っていて、峰々のいたるところに点在しています。それら道教寺院は、現在では青城山最大の観光スポットとして人気を博しています。青城山は、大きく「前山」と「後山」に分かれます。「前山」は風景名勝区の主要部分になっていますが、「後山」もまた、前山とは違う、独特の神秘的美しさを湛えていて、どちらも一見の価値があります。青城山は、仏教寺院群と自然の美しさが融合した、独特な景観を持つところです。

「都江堰」という水利施設が築かれ始めたのは、張陵の時代のはるか前、紀元前256年頃のことです。この時代、泰国の李冰(りひょう)は、毎年春になると、雪が山から解けて流れてくる水によって水害を受ける都江堰市を何とかしようと模索していました。そこで考案されたのが、合理的な水路造りです。李冰は、水害をもたらす山水を、成都を中心とする大平原に流す水路を考案し、その着工を始めたのです。しかし、完成する前に李冰は亡くなり、その息子・李二郎が父の意志を受け継ぎ、水利施設を完成させました。こうして出来たのが、「都江堰」です。都江堰は、都江堰市を水害から守るだけでなく、その水を成都に流し込むことで、成都を豊かな農業地帯に変えました。

都江堰は、現在も利用されています。着工開始から2300年の年月が流れ、今尚人々の生活を支える水利施設として利用されているのですから、いかに丈夫に、また合理的に作られたかを考えさせられます。古代中国人の知恵が詰まった水利施設は、このように古代から現在に至るまで、都江堰の人々には欠かせない施設になっています。

「青城山」と「都江堰」は、互いに10kmしか離れておらず、一度の観光で両方訪れることが可能です。しかし、青城山の道教寺院は丁寧に見て回りたいものですし、都江堰には、私たち現代人が生活する上での知恵のようなものが隠されているような気がします。一度の観光で両方訪れる機会があっても、その一つ一つを、時間をかけて見て回りたいものです。

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