中国世界遺産

大足石刻

大足石刻は、中国重慶市にある石刻群のことです。ここには、合計5万体以上の石刻があり、1999年に世界遺産に登録されました。これらの石刻は、古代・中世の中国を代表する仏教芸術として知られ、生き生きとした表情を持つ仏像が特徴です。中国を代表する石刻芸術では、中国三大石窟の「雲崗石窟」「龍門石窟」「莫高窟」が最も有名ですが、「大足石刻」は、これらの石窟に引けを取らない、高い芸術性を持つことで知られています。

「大足石刻」として世界遺産に登録されているのは、重慶市にある、合計27箇所の石刻群です。5万体以上の石刻のうち、大半がこの中の「宝頂山」「北山」「南山」「石篆山」「石門山」の5箇所に集中しています。主な石刻は全て仏教ゆかりのものですが、中には道教に由来するものもあります。これらの石刻群の中で、特に観光客に人気があり、より多くの石刻を有するのが「宝頂山」と「北山」にある石刻群です。これら「大足石刻」にある二大石刻群は、中国では重点保護文化財にも指定され、大切に保存されています。

「大足石刻」は、649年に切り開かれました。唐朝末期のことです。それ以降、五代、宋代を経て、明・清時代に至るまで、石刻の数は増え続けました。それだけ長きに亘る石刻作業の中で、時代や場所によって、その石刻を築く背景は様々でした。「宝頂山」の石刻群は、密教の僧侶・趙友鳳によって切り開かれましたが、そこは主に、密教の道場としての意味合いを持ち、密教に由来する石刻が無数に彫られていきました。

一方、「北山」の石刻群は、仏教徒がお金を積み立て、彫刻師に頼んで造らせたものが主です。「宝頂山」が一人の僧侶の指揮下で切り開かれた一方で、個人個人の作業が集まって「北山」の石刻群が築き上げられていったのです。このように、時代や場所、目的によって、大足石刻は様々な変遷を辿り、気付けば巨大石刻群になっていました。ですから、「大足石刻」を訪れると、生身の中国史に触れられるような感覚を覚えるに違いありません。

大規模な世界遺産である「大足石刻」の中でも、最も有名な仏像は、宝頂山にある「釈迦涅槃像」です。「涅槃像」とは、臨終時に横たわる釈迦の姿で、主にタイでよく見られる仏像のスタイルです。宝頂山にある「釈迦涅槃像」は、全長31mもあり、その存在感は石刻群の中でも圧倒的に際立っています。仏像が「目をつぶって横たわる」という概念は、日本人には恐らくないでしょう。ですから、涅槃像の印象は、かえって新鮮です。このほか、千もの手が実際に彫られている「千手観音像」、父母への恩を表している「父母恩重経変像」なども有名です。これらの仏像は、色彩と表情が豊かなところが共通しています。

「宝頂山」には一万体以上の石刻があると言われていますが、「北山」にも一万点を越える石刻が彫られています。崖にびっしりと仏像が彫られている箇所が多く、細かい作業が果てしなく続けられてきたことが伺えます。仏像の顔が「満員電車」さながらにびっしり並んでいるので、「大足石刻」では、ひと味違う仏像巡りが楽しめそうです。

国でさがす
イタリア
スペイン
中国
フランス
ドイツ
メキシコ
イギリス
インド
ロシア
アメリカ
オーストラリア
ブラジル
ギリシャ
日本
カナダ
スウェーデン
イラン
ポルトガル
ポーランド
チェコ
ベルギー
トルコ
オーストリア
ペルー
スイス
韓国
オランダ
ブルガリア
エチオピア
キューバ
アルゼンチン
クロアチア
ノルウェー
フィンランド
ルーマニア
ハンガリー
チュニジア
南アフリカ
モロッコ
スリランカ
アルジェリア
エジプト
タンザニア
インドネシア
ベトナム
コロンビア
オセアニア
南米
中米
西・中央アジア
東南アジア
中東諸国
アフリカ
旧ユーゴ
バルト三国
旧ソ連地域
中央ヨーロッパ
北欧
知られざる小国