中国世界遺産

天壇

天壇は、北京市内から約15kmのところにあり、1998年に世界遺産に認定されました。「天壇」と聞くと、すぐに建築物のようなものを思い浮かべると思いますが、実際に中国では、「壇=天と交信する場所」と、その周辺を囲む庭園を含めた一帯が、「天壇」や「天壇公園」と呼ばれています。

この場所に天を祀る祭壇が造られたのは1420年、明の永楽帝の時です。建立当時は、「天地壇」(天壇と地壇が合体されたもの」と呼ばれていましたが、1530年に四郊分祀(しこうぶんさい・壇を分割すること)が施行され、天・地・日・月の壇は別々に建立されることになりました。そして、それぞれの場所で、天との交流を図ろうとしたのです。

この時代には、皇帝が宇宙と交信することが、宗教上、また帝国安泰のために、非常に重要とされていました。ですから、建築物にも中国で解釈された宇宙観がふんだんに組み込まれているのです。例えば、中国では、「円=天」と解釈されていたので、「祈年殿」は、三層の丸屋根を持つ円錐の形をしています。

天壇公園には、敷地約273万km2の中に、本来の「天壇」である「圜丘壇」、北京のシンボル的存在で中国最古の祭壇とされる「祈年殿」、歴代皇帝の位牌が安置され、天に属する建物とされる「皇穹宇」、更に、祭事のたびに皇帝が宿泊していた斎宮や、皇帝側近の建物である神楽署などがあります。

最も中国の宇宙観が反映された建築は、やはり圜丘壇でしょう。圜丘壇は、中国陰陽思想の中で最も重要とされる数字、「9」が全てにおいてポイントになっています。例えば、石でできた手すりの数は、下層180、中層108、上層72で、全て9の倍数になっています。更にこれらを全て足すと360になり、陰暦の日数とぴったり一致します。このように、9の倍数、9に纏わる数字が基となり、圜丘壇は造られています。このことから、圜丘壇が、天との交信のために、いかに工夫して造られたかがよくわかります。

また、皇穹宇には、「宇宙」という単語の一文字が使われていて、天に属する建物とされてきました。「天壇」として世界遺産登録された敷地内は、中国の宇宙観を見られる、まさに、ハイライトと呼べるでしょう。

天壇がまだ皇帝に属していた頃、そこは皇帝のみが宇宙との交信を許されたパワースポットでした。今では、中国最大の観光地である北京の中でも、一番の見所として、一般に広く公開されています。天壇に行く観光客は、一度その場所に止まると、不思議な感覚におそわれるといいます。一種の神秘体験のような感じです。中国旅行で北京に行かれる方は、天壇まで足を伸ばすと、並々ならぬエネルギーを得られるかもしれません。

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