中国世界遺産

周口店の北京原人遺跡

「周口店の北京原人遺跡」は、1987年に世界遺産として登録された、中国旧石器時代の遺跡です。首都・北京市から南西に約50km、北京市房山区周口店村の、竜骨山というところにあります。竜骨山は、古くから、漢方薬の原料となる動物の骨を採取する場所として知られていましたが、20世紀に入ると、人類の歴史を辿る、重要な遺跡の地として知られるようになったのです。

人類の祖先は、約200万年前にアフリカで誕生し、約100万年前にジャワ島に到達し(これがジャワ原人)、それから中国大陸に移ったと考えられています。中国に到達したジャワ原人は、北京周辺に落ち着いて生活し、後にその原人遺跡が発見されたため、「北京原人」と名付けられました。最初の北京原人が居住していたのは、最近の研究(2012年時点)によると、今から約78万年前に遡ることがわかっています。

1921年に、竜骨山の原人遺跡周辺は発掘作業下に入りましたが、1923年、スウェーデン人学者、ユハン・アンデショーンが、人類のものらしき歯の化石を発見しました。更に1929年になると、今度は中国人学者、裴文中が、人類の完全な頭蓋骨を発見し、世界の考古学史に衝撃を与えました。その後も発掘作業は進み、これまでに、男女40人からなる人々の頭骨、上腕骨、腿骨、下顎骨、骨の砕骨などが発見されています。尚、裴文中が発見して世界を驚かせた原人の頭蓋骨は、1941年、日中戦争のさなかに紛失しました。それ以来行方不明のままで、いまだ発見には至っていません。

1920年代からの発掘作業で発見されたものは、「そこに人類がいた」という証拠だけでなく、人が生活していた跡も多く見つかっています。例えば火を使った跡、石器、装飾品などです。特に火を使って生活をしていたことが確認されたことは、そこには人間としての営みがあったことを、何よりも物語っています。

これらの原人遺跡が人類史を辿る貴重な資料になっているのですから、世界遺産に登録されるのも当然のことでしょう。発掘された貴重な資料が展示されている周口店遺跡博物館の前には、「北京猿人」(北京原人のこと)の巨大な復元像があります。その顔は、まだ現在の人間には程遠い、まさに「猿と人との中間」のような印象です。私たちのはるか昔の姿がこれである、という目で見ると、不思議な気がしてきます。

現在でも中国では、周口店の北京原人遺跡を、科学的・考古学的考察に検証を続けています。その中で、北京原人が直立歩行をしていたこと、道具を使って料理をし、食生活を行っていたことなどが確認されています。そしてこれから先も、この原人遺跡は、新たな史実を私たちにもたらしてくれるでしょう。この先中国に旅行を予定されている方がいれば、ひょっとして、歴史的な新たな発見に遭遇できるかもしれません。

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