中国世界遺産

天地之中 歴史建築群(「天地の中央」にある登封の史跡群)

「天地之中歴史建築群」は、中国河南省鄭州登封市にある、8箇所11物件で構成される建築群です。この建築群は、2010年に世界遺産に登録されました。登録された物件は、「太室闕と中岳廟」「少室闕 」「啓母闕」「嵩岳寺塔」「少林寺建築群(常住院、初祖庵、塔林)」「会善寺」「嵩陽書院」「周公測景台と観星台」です。(「闕」とは左右対称に置かれた望楼のこと)
これらの物件は、2008年に一度世界遺産に申請されましたが、歴史的検証が不十分と見なされて登録は見送られました。そして、2010年には追加資料などを提出して再び審議され、ようやく世界遺産に認定されたのです。

日本人にとって最もなじみ深いのは、「少林寺建築群」だと思います。1982年に公開された映画「少林寺」により、日本でも少林寺及び少林寺拳法が広く知られるようになりました。少林寺がある嵩山は、中国では「道教の聖地五岳」と呼ばれる名山です。北魏の皇帝・孝文帝が、嵩山に当時あった祀宮を大幅に改修・拡張して、「少林寺」が誕生しました。それ以来、「少林寺建築群」と呼ばれる地域では、仏教と道教並びに少林寺拳法に纏わる建造物が集まり、歴史を重ねてきました。

「太室闕と中岳廟」は、中国五岳の中でも最大規模の歴史建築群です。その中の「太室闕」は、現存する中国最古の宗教的建造物の一つとして知られています。太室闕は、木造を模した切石による建築物で、118年頃建てられました。古代中国の宗教史を辿る上で、この建築群は最も重要な場所の一つとも言えるでしょう。

「周公測景台と観星台」のうち、「周公測景台」は現存する中国最古の天文学施設であり、「観星台」は、中国最古の天文台です。「周公測景台」は、周を治める周公によって建造されました。周公は、この測景台を使って様々な試みを行い、「夏至・冬至」「春分・秋分」という概念を築き上げました。その概念が、今日にも通用する春夏秋冬の概念の一つであることは言うまでもなく、周公測景台が、古くからどれだけ重要な施設であったかは、現代に生きる私たちにも容易に想像ができます。

「天地之中歴史建築群」は、漢代から清代に亘って建てられた建築群で、実に2000年の歴史を誇ります。何故これだけ長きに亘り、中国の人々が河南省一帯に重要な建築物を造ってきたかというと、中国には古くから「天地の中心は中原(現在の河南省周辺)にあり」という伝統的な考え方があったからです。それは、中国独自の宇宙観や占星術から得た価値観に基づくもので、「天地之中」といわれています。歴代の中国統治者は、中原という場所に特別な意味を込めて、国の統治や宗教思想に欠かせない建造物を残していったのでしょう。中原とは、いつの時代にも中国人にとっては特別な場所だったのです。ですから、「天地之中歴史建築群」の史跡を辿ることで、古代・中世の中国統治者が国にかけた思いを、深く知ることができるでしょう。

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