中国世界遺産

安徽(あんき)南部の古村落 — 西逓と宏村

中国安徽省黄山市には、数多くの明・清時代の民居群があります。
その中の二つの村、黟(い)県にある西逓(せいてい)村と宏村が、2000年に「安徽省南部の古代集落群」として、世界遺産に登録されました。
またこのほかの村にも、世界遺産として認定されなかったものの、数多くの古民居が残っており、黄山市は貴重な古建築群の地として知られています。

西逓村は、黟県中心部から約8kmのところにある古民居群です。村全体にある明・清代の建築物がほぼそのまま保存されていて、「古民居の博物館」と呼ばれています。西逓村には、胡氏一族の居住地がありました。胡氏一族とは、胡錦濤・現中国国家主席(2012年時点)の祖先に当たります。

安徽省は、明代に非常に栄え、胡氏一族もそこで商人としての役割を担いました。現在までの長期に亘り保存されてきた古民居の多くは、この時代に建てられました。村の入口には「胡文光直視牌楼」という門があり、そこから村に入ると、すぐに古い街並みが現れます。現存するだけでも、その数は300棟もあり、その中の124棟が、一般公開されています。西逓村にある建物や道路には大理石がふんだんに使われており、私たち日本人の感覚からすると、何とも贅沢な感じがします。そして、村全体の建物には共通して、窓枠には黒大理石が使われており、美しい庭と、花鳥のデザインが施された石刻があり、屋根はレンガ造りになっています。この統一されたデザインや素材感が村の景観を美しく彩り、「世界で最も美しい村」とも呼ばれています。

宏村は、黟県中心から8kmのところにあります。この村は、空から見ると、牛の形をしているのが非常に特徴的です。例えば村の入口にある2本の大木は、牛の角に見立てられ、民居群は牛の胴体、村をめぐる川は牛の腸に見立てられるといった感じに、宏村にある自然と造形物を全て合わせてみると、見事に牛の形になっています。宏村は、湖の大変美しい村として知られ、特に、湖に映し出された民居の数々や自然は大変美しく、ここでは多くの画人たちが絵画を残してきました。そして現在でも、村を行き交う人々の中に、画材やスケッチブックを持つ人たちが多混じっています。その光景から、宏村は別名「中国画里郷村」とも呼ばれています。宏村には150棟もの古民居があり、ここもまた、古い街並みがそのまま保存されています。

安徽省には独自の建築史があり、その建築物を「徽派建築」と呼びます。徽派建築は、白壁と灰色レンガ造りが大きな特徴です。この徽派建築の様式は、明・清時代に最も多く用いられました。安徽に住む人々は、古くから洗練された美意識を持っていたのでしょう。そして、中国伝統建築の模範として、堂々と世界遺産登録にまで至ったのです。世界遺産に指定されているのは、西逓村と宏村というほんの一部ですが、「安徽省南部の古代集落群」と呼ばれる地域には、実に3,600もの古民居が保存されています。見渡す限り、徽派建築のセピアがかった独特のモノクロの世界が広がっており、その光景は、単に美しいというだけでなく、とてもロマンティックです。

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