イタリア世界遺産
ヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ)
イタリアの首都ローマから約30キロほど行ったところに、ヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ)があります。

イタリアの世界遺産に登録されており、ローマから日帰りイタリア世界遺産ツアーで参加する人が多い観光スポットです。
ヴィッラ・アドリアーナは、ローマ皇帝ハドリアヌスが作った別荘地です。
ハドリアヌスは、皇帝の座にありながら旅行が好きで世界中を視察して回ったようです。
そしてローマに戻ると、ヴィッラ・アドリアーナの増改築を行い、それを繰り返して133年にようやく完成しました。
世界各地の影響を色濃く受けた建造物が多く、中にはギリシアの神々を模した彫刻や大理石の柱、エジプトの運河などが作られています。
池をたくさん作り、円や曲線を使ったデザインは当時のものとしては大変珍しく、また現在でも多くの著名な建築家や造園家がヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ)の設計力の高さに魅了されています。
また現在の別荘や庭園、ガーデニングの典型になったともいわれています。
現在イタリアの世界遺産となったヴィッラ・アドリアーナは彫刻や石材が盗掘や略奪に遭ったため当時の姿は一部のみとなり、廃墟となっているところもありますが、当時の名残や雰囲気はしっかりと残っています。
この巨大な庭園は4つのテーマに分かれており、合計30以上の建物が立ち並び、とても一度に見られるものではありません。
しかし抑えておきたいポイントだけでも見ておけば、イタリアの世界遺産を十分楽しめることでしょう。
まず一番有名なのは、運河をイメージしたカノープスです。
エジプトの2つの古代都市である、アレクサンドリアとカノープスをつなぐ運河をイメージしていますが、どちらかといえば池という感じです。
しかしその壮大さ、美しさには圧巻されることでしょう。
運河の周りにはギリシアの神や女神の像、それを模った柱などが整然と並べられています。
そして円形の柱を島(ヴィッラ)に模してあり、島の中にはテアトロ・マリッティモ(海の劇場)があります。
皇帝ハドリアヌスは、よくこの島で1人で物思いにふけっていたそうです。
最近映画となった漫画のモデルとなった大浴場も、この庭園のエントランス付近で見ることができます。
ドーム型の天井が特徴となっており、大小の浴場を見学することができます。
庭園の中心部には、ドーリス式の柱が美しいピアッツァ・ドーロ(黄金広場)や柱とレンガ造りの遺跡が美しいペシエラの養魚場、図書館や客間まどがあります。
また、エントランスから離れたところには、ヴィーナス神殿がありドーリス式の柱と、現在は破壊されて一部のみとなったヴィーナス像を見ることができます。