イタリア世界遺産

イタリアの世界遺産

イタリアは、世界遺産保有数が世界ナンバーワンの、世界遺産大国です。

「アドリア海の女王」との異名も持つ美しい水の都ヴェネツィア

その世界遺産に登録されている物件数は49件にもなり、2位以下の国を大きく引き離しています。(2013年現在)

ユネスコが世界遺産登録のシステムを稼働させたのは1970年代の後半で、イタリアでは、1979年に「ヴァルカモニカの岩絵群」が国内第1号の世界遺産登録物件になりました。それ以降、毎年着実に登録件数を伸ばし、昨年2013年も「エトナ山」と「トスカーナのメディチ家の別荘と庭園」が新たに世界遺産登録を果たしました。

また、現在世界遺産になっていない暫定リストにもイタリアの物件が多くあるので、近い将来、またイタリアの世界遺産は増えると思います。イタリアには歴史的に価値のある街並みや建築物、自然がどれだけあるのだろう?と想像すると、それは途方もないことです。イタリア国内のどこへ行っても世界遺産が見られる、そんなイメージすら持ってしまいます。

有名なピサの斜塔は「ピサのドゥオモ広場」内にある鐘楼。

イタリアがこれだけ多くの歴史的価値のある物件を持つのは、その歴史の紐を解くとすぐにわかることです。イタリア半島には古代ローマ帝国の都があり、ローマ人はヨーロッパで後にも先にも見ない天才的な植民地支配を展開しました。彼らの築いた建築物だけでも圧倒的な数で、多くのものが現存しています。それらが世界遺産として登録されるのは当然のことでしょう。

古代ローマがヨーロッパで支配の手を広げているのと同じころ、ローマではカトリック教会が文化を開花させていました。カトリック教会の総本山はバチカン市国にありますが、バチカンはローマ市内にあり、現在もバチカンとローマは直結しているのです。カトリック芸術は、ヨーロッパ全土に大きな影響を与えました。イタリアに現存する数々の聖堂や修道院は、見事なキリスト教芸術の典型です。

キリスト教世界と関連して、中世後期にはルネサンス芸術が花開きました。都市国家フィレンツェで開花したルネサンスの運動もまた、国境を越えてフランスやドイツ、オランダにまで伝わりました。ルネサンス期のフィレンツェでは多くの「天才」と呼ばれる芸術家たちが活躍し、彼らが都市から都市を渡り歩き、そこでまた新たな芸術を生み出していきました。ルネサンス建築はローマやミラノなどの大都市でも見られ、バチカンの「サン・ピエトロ大聖堂」の建設には、ミケランジェロやラファエロといった巨匠たちも参加しています。

フィレンツェ歴史地区は街全体が最高の芸術作品のよう。風格ある歴史建築物が街に溢れています。

古代ローマが残したもの、カトリック関連の施設、そしてルネサンスの芸術・・・これらだけでも、イタリアにどれほど豊かな歴史遺産が存在するのかが想像できると思います。

そして、イタリアには、キリスト教芸術を中心に街並みが築かれ、現在もその古い街並みが「歴史地区」として世界遺産に登録されているところも多いのです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの名画『最後の晩餐』はサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂の壁画として描かれました。

イタリアにあるのは、これらの世界に名だたる歴史の足跡だけではなく、自然の景観が豊かなところ、独自の都市計画で素晴らしい町を築き上げたその遺構などがあちこちに点在しています。南イタリアにある世界遺産「アルベロベッロのトゥルッリ」は、町ごと世界遺産に登録されていますが、その街並みはメルヘンチックで、歴史の壮大さよりも、可愛らしさが漂います。白い漆喰でできた壁に三角屋根の家屋が延々と連なる景色はとてもユニークですが、こういう街並みもまたイタリアならではのものです。

イタリアといえば食を謳歌するところであり、良質なワインも有名です。そして、半島を囲う海岸線に美しい街並みを築いた「アマルフィ海岸」や「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」には、癒しの空間が待っています。

映画でも有名になったアマルフィ海岸は人気の観光地のひとつです。

イタリアの世界遺産の見どころを簡潔に表すのは、不可能というものでしょう。西暦79年に火山活動によって埋もれ、1000年以上眠り続けた町・ポンペイ、同じく火山活動によって町が崩壊し、その後見事に復興した街並みが美しいシチリア島の「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」なども、日本での知名度こそ低いのですが、大変美しい街並みが印象的で、歴史の壮大さを感じられるところです。

「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」に登録されている8つの街のひとつ、ノートの街並み。

イタリアには古代文明の遺跡や中世の美しい城や宮殿が各地で残る、国全体が世界遺産のようなところです。日本の人たちにとっても、イタリアは観光地の一つとして人気のところですが、どうしても大都市を観光する程度に終わってしまうことが多いのではないでしょうか。一度イタリアだけを思いっきり旅してみることをお勧めします。日本人にはまだあまり知られていないスポットも本当に多くあるのです。イタリアだけを存分に味わって後悔するなどということはありえません。全ての世界遺産を、自信を持って皆さんにお勧めしたいと思います。

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